2016年02月11日

こんばんは、醸造部の林英達です。
今日はとても気持ちのよい天気でした。

前々回のブログで書きました「余韻を重ねる」について補足させていただきます。
http://kingselby.livedoor.biz/archives/65884890.html

そもそも、余韻とは何か??

ワインを飲んだあとに口の中に残る香り、、、と一般的には言われます。

少し脱線しますが、
人間と犬とでは鼻の構造が違うのをご存知ですか?簡単に言うと、人間は鼻の奥で口とつながっていますが、犬はつながっていません。何故つながっているのかは置いといて、つながっているとどういうことが起きるかと言うと、「喉越しから香りを感じる」ことが出来るのです。

実際に口の中に残った香りと、さらに飲み込んだあとに喉から入ってくる香りを合わせて、「余韻」といえると思います。その余韻を「重ねる」ことによって、単体では出ない味わいを感じることができます。

料理とワインの組み合わせは、「黄色と青色を混ぜると、緑色になる」という、絵の具で色を作るのとは違います。

例えば、赤い折り鶴を、色んな色紙の上に置きます。

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合わせる紙によって鶴の印象が変わると思います。
黒色は鶴の輪郭がはっきりとしますが、黄色は逆に色紙の印象が強すぎるように感じます(個人差があります)。

料理とワインも同じで、組み合わせ方によって際立つ味わいが変わってきます。

前回のブログで書きました、“ワインの風味が、料理のひと口目には感じなかった奥行きをクローズアップしてくれます。その料理の奥行きが、ワインの風味をさらにクローズアップします。”
というのは、組み合わせ方によっては味の相乗効果が生まれるということです。

酸味のある料理は、ワインの果実味を強めます。
甘みのある料理は、ワインの酸味を強めます。
(あくまでも一例です。)

色紙が鶴の印象を変えたように、料理の後味によってワインの風味は変わります。逆に口の中に残るワインの余韻で料理の際立つ味わいも変わります。

チーズは割とわかりやすく、ワインによってミルク感が増したり、塩気が目立ったり、硫黄っぽい香りが際立ったりします。

色んな組み合わせを試してみてください。マリアージュに正解はありません。それを探す過程は実に楽しいです。

『ワイン食堂』では、そんな楽しい時間を共有できればと思います。

前回の『ワイン食堂』のメニューです。

『菜の花と湯葉のお浸し』

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春野菜に甲州というのは、意外に知られていませんが、相性はぴったりです。春野菜特有の風味を、甲州の果実味がしっかり引き立ててくれます。湯葉と自家製チーズのたんぱく質が、菜の花の苦味とワインをつないでくれます。

『百合根のスープ』
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百合根を豆乳で煮詰めてマッシュにし、魚介の出汁で伸ばしました。百合根のコクと旨味が甲州2015の果実味をしっかり強調し、さらに甲州スパークリングの熟成された香ばしさを際立てます。
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次回の『ワイン食堂』は、2/28です。
おそらく春の食材が続々と出てきている頃ですね。
少し早い春を感じていただけるような会にしたいと思います。
どうぞお楽しみに!


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