2016年01月22日

おはようございます、醸造部 林英達です。

冬らしさを通り越して、シロクマも驚きそうなくらい凍える寒さとなりました。こんな日には暖かいお鍋が食べたくなります。

この時期によくうける質問は、「鍋に合うワインは何ですか?」

なに鍋かにもよりますが、おそらく野菜が大半を占めると思いますので、わりとしっかりめの白か、軽めの赤を提案させていただきます。

そもそも、「合う」とはどういうことなのでしょうか??

少し話がそれますが、、、

「三角食べ」という言葉があります。三角食べとは、ごはん、おかず、みそ汁など複数のお皿を一度に並べて、全体にまんべんなく食べていく日本の文化とも言える食べ方です。

おかずと一緒に食べるごはんの量で、味の濃い薄い、さらには脂肪分や塩分等の濃い薄いを自分好みに調整しながら味わうことが出来ます。つまり、ごはんを間にはさんで、自ら口の中で味付けをしているわけです。

「ビールを飲む」ことは、感覚的には近いかもしれません。口の中に残る脂肪分や塩分をリセットし、食事の次の一口を誘います。個人的な感想にもなりますが、ソーセージや餃子など味の濃いものほどビールが美味しく感じられるのも、このような理由からではないでしょうか??

そのため、料理と飲み物を合わせるとなると、自然と「口の中で出来る味」を考えます。


実は、これをワインに当てはめると、とても難しいです。ハマれば良いのですが、そうでない場合はとてもひどい結果になることが多いと思います。そして、「だからワインは苦手」となってしまい、とてももったいないです。

「料理とワインを合わせる」というのは、口の中で料理とワインを合わせて新たな味をつくることではなく、「余韻を重ねる」ことと言えると思います。この「余韻を重ねる」について説明すると少し長くなりそうなので、今回は簡単に、、、(詳しくは次回に。)

ワインによって料理は表情を変えます。
そして、ワインも料理によって表情を変えます。

料理を一口食べ、そしてワインを飲む。

体の中でどのように味わいが伝達されていくのかを、ゆっくりと追ってみてください。

体にワインの風味が残った状態で、また料理を口に含む。すると、先程とは違う表情を料理が見せるでしょう。ワインの風味が、料理のひと口目には感じなかった奥行きをクローズアップしてくれます。その料理の奥行きが、ワインの風味をさらにクローズアップします。

「ワインが色を添える」という表現を使うことがありますが、一皿の料理と一杯のワインだけで様々なバリエーションを醸し出します。これがマリアージュだと思います。(林個人の見解です。)

何も難しくないです。特別な能力は必要ありません。一口一口、ゆっくり味わうことで誰にでも感じられる感覚です。朝の仕事前の時間がない中で、まさに放り込むパンと流し込むコーヒーでは決して味わえない感覚です。時間をかけて食事をするという、贅沢であると思います。

2/7(日)開催予定の、「アントワーヌとカタシモワインの会」では、色々なワインの楽しみ方を見つけていただけると思います。
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http://katashimo-winery.livedoor.biz/archives/9137802.html

決して堅苦しい会ではありません。肩の力を抜いて、食事とワインと会話を楽しんでいただける会にしたいと思いますので、是非ご参加ください。まだ若干、席に余裕があります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。


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