2015年11月09日

おはようございます、醸造部の林英達です。

前回のブログで「私は料理人でした」と書きました。
よく聞かれるのが、

「ジャンルは??」です。

もともとは和食でしたが、ワインの勉強をし始めてから少しずつ洋食へと移行していきました。
『ワイン食堂』でお出ししている料理は、ワインに合わせることを前提に基本的にはノージャンルのつもりです。

ですが、やはりもともとのベースが和食にあるので、出来上がる料理はどうしても和風になります。

そもそも、和食と洋食の違いとは何でしょうか??

「和食は引き算、洋食は足し算」と表現されることがありますが、「引き算」とは、素材を「そのまま食べる」ために余計なものを排除していき、素材を味わうのに必要な物だけを残すことだと思います。

魚で言うと、造りで食べるために皮をひいたり血合いをとったり、天ぷらや焼きで食べる場合は塩をしたり酒をふったりして、臭みを取ります。

素材そのものを食べて美味しいと感じる料理が和食なのでしょうか?

逆に、「足し算」は、味を足していくことで奥深い味わいを出すことにあります。さらに調味料による味付けではなく、素材ひとつひとつで「味」を構成しています。

同じく魚で言うと、ガラや肝などでソースを作ったり、ハーブや香辛料を使って素材の「くせ」を旨味に変えます。

メインの素材を色々な要素と一緒に味わうことで美味しいと感じる料理が洋食とも言えます。

素材を活かしたければ引き算で、奥深さを出したければ足し算という考え方もできます。

これまでにワイン会でご一緒させていただいた洋食のシェフたちからは、一概に「足し算」だけではないように感じました。

前回の『ワイン食堂』でコースの中の一皿を担当してくれた、近鉄堅下駅前フレンチレストラン「 アントワーヌ」太田シェフの料理もそうです。

『ヒラスズキのムース』

image


魚の香りをしっかりと味わうことが出来、さらに魚介の旨味たっぷりのクリームソースがその香りをより一層引き立てていました。

素材をしっかりと活かしながら、余韻の深い味わい。。。


太田シェフが繰り出す、食材の持つ奥行きを最大限に引き出す伝統的な料理は、繊細でありながら口の中にしっかりと残る素材そのものの香りと奥行きのある味わいで、どこか和食に通じるような“ほっ”とする安らぎがありました。

カタシモワイナリーのワインは、口当たりは優しく、じわじわと後味に旨味を感じるような、軽やかでいて余韻の長いのが特徴です。

前回のブログでも触れましたがこういったワインには、繊細でいてしっかり素材の旨味のあるものが、自然と「馴染む」と思います。



今後も、太田シェフとは「料理とワインの組み合わせ」の可能性を求めて様々な催しをしていきたいと思います。
少し先になりますが、2月上旬に「牡蠣の会」を現在、企画中です。
詳細が決まり次第、告知させていただきますので、お楽しみに。。。




katashimowinerykatashimowinery at 06:29│ワイン食堂 │