2013年01月29日


先日、「的矢かきと堅下ワインの会」が開催されました。

 『的矢かき』は松阪牛・伊勢えび・真珠・あわび等と共に、
 2001年に『三重ブランド 』の第一号として認定された、
 ひと粒牡蠣として筏養殖された牡蠣です。

 
 的矢かき事業者として唯一認定されておられるパイオニア、≪佐藤養殖場≫さんにも、お越しいただき、的矢かきについて色々とレクチャーしていただきました。


会場は近鉄堅下駅前にあるフレンチレストラン「アントワーヌ」

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ここの太田シェフは、
大阪あべの辻調理師専門学校フランス校卒業後、
アルザスのレストランで研修を経て
神戸北野レストラン ジャンムーラン
神戸北野レストラン ぺルージュ
神戸北野レストラン ル・パッサージュ、
で勤務したのちに、
生まれ育った柏原に帰ってきました。

志摩観光ホテルのシェフや、奈良にあるワインバーのシェフ、
そしてワイン倶楽部の会員様と
舌の肥えた方々が集まったこの会でしたが、
太田シェフは期待以上の至福の的矢かきのコース料理を提供してくださいました。


この会の開催に先駆けて、私たちは二度の試食会を行いました。

ただ単なる試食会ではなく、日本ワインの役割を大きくアピールする上で、
「今回のかきのコースに、ワインをどう合わせるか!!?」
というのは一つの挑戦でもありまして、
納得いくまで何度も討論を重ねました。


余談ですが・・・
このワインを決めようとした試食会をきっかけに、面白い企画案も浮かび上がったので、楽しみにしていてください。


では、今回のメニューを紹介します。


・殻付き生かき

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これはグラッパ甲州58°を合わせました。

かきの旨味とグラッパの香りが絶妙にマッチして、グラッパの爽快な後味が口に残る臭みを一瞬で消し去ってくれます。




・かきのポッシェ
下仁田ねぎとイタリア産パンチェッタ

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磯の旨味と動物性脂の甘みを、下仁田ねぎが上手くつなぐ一品。

柏原新酒 合名山甲州を合わせました。
料理の中でも仲介役となった下仁田ねぎが、ワインと料理もつなぎ合わせてくれました。




・かきの燻製
春菊とりんご、ナッツのサラダ

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料理名だけを聞くとピンと来ないかもしれませんが、
一口食べれば食材のチョイスに納得されられる一品。

リンゴの酸味とローストしたナッツの香りと甘みが、軽く燻されて旨味の増したかきを引きたてる。
春菊を混ぜたことで濃くなりすぎず、さっぱりとまとまるけど香りはしっかりと口の中に残る。

合名山 カベルネ・ソーヴィニヨンを合わせました。
口に残る旨味と燻製の香りを、程よい樽香が上手にエスコートしてくれました。




・かきとほたてのムース
堅下白ワインと志摩町の青のりソース

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これは文句無しの一品。
加熱しても縮まない的矢かきを混ぜこんだほたてのムースが、絹のような優しい食感の中で、かきとほたての旨味がじゅわ〜。
このムースだけでも十分美味しいのに、同郷の青のりを使ったソースが香りを演出し、食べればそこに三重の海が浮かぶ・・・言い過ぎ??

柏原新酒 マスカットベリーAを合わせました。
これぞマリアージュ!!
試食会では、文句無しの満場一致!!!
果実味豊かなベリーAと、かきとほたての旨味と青のりの香りが、
これ程までにマッチするとは、ただただ驚きでした。

・徳島 瀬戸の地鶏 胸肉のヴァプール
かきのソース

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絶妙な温度で加熱し、しっとりとした食感に仕上げた胸肉と、マッシュポテトを合わせた一皿。

今回はかきをソースとして使用。
エシャロット、ニンニクとタラゴン(西洋よもぎ)を合わせた、かきの旨味と香りをしっかり引き出したソースでした。

かきのコースということで、たとえソースとして調理したとしてもかきが脇役にならぬように、胸肉とマッシュポテトが一歩下がってかきのソースを目立たせる。

甲州 芹田畑を合わせました。
深みのある酸味と果実味が、しっとりした食感と上手く絡まります。




・かきのパウンドケーキ
堅下ひやしあめのアイスクリーム

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↓↓パウンドケーキと太田シェフ
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常識はずれの驚きのデザート!!
太田シェフが「かきをなんとかデザートに出来ないものか」と考案したパウンドケーキ。
しっかりとかきの主張があるのに、れっきとした甘くて美味しいパウンドケーキです。
横に添えるのは堅下ひやしあめを使ったアイスクリーム。
生姜の風味と、かきのケーキは見事な組み合わせでした。

〆はグラッパ デラウェア樽熱。


今回のコースで、日本ワインの良さを再認識していただけたかと思います。


日本人が作る、食材の素材を存分に引き出した繊細な味わいには、
自己主張の強いワインではなく、
三つ指立てて会釈するような、さりげなく横に添えるワインが自然と合うのでないでしょうか??

今後も、お店では伝えきれないワインの可能性を発信していきたいと思います。


今回お越しいただきましたお客様、ありがとうございました。









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